愛媛国体の陸上に、9月に男子100メートルで9秒98の日本新記録を出した桐生祥秀(滋賀)、桐生とともにリオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーで銀メダルを獲得した飯塚翔太(静岡)、8月の世界選手権男子400メートルリレー銅メダルメンバーの多田修平(大阪)が地元選手団の一員として愛媛を訪れている。飯塚と多田は10日の成年少年男子共通400メートルリレー決勝に出場予定。初めて訪れた愛媛の感想やふるさと代表として出場する国体への思いを紹介する。

【桐生祥秀(滋賀)速さ見てもらえたかな】
 ―愛媛で走った感想は。
 自分の登場で会場が盛り上がってくれて、とてもうれしかった。愛媛国体では(日本人初の9秒98を出した)100メートルではなく400メートルリレーだけの出場だが、大勢の人が集まってくれた。会場に入るときも、花道のような通路ができていて驚いた。愛媛に来たのは初めて。ミカンが好きなのでいろんな種類のみかんジュースを買って飲み比べしている。

 ―多田選手と直接対決した9日のリレー準決勝で、滋賀は敗退した。
 国体では初めてアンカーを務めた。準決勝で落ちたが、自分の走りとしてはいい感じだったので、愛媛の人たちにスピード感を見てもらえたかなと思う。

 ―愛媛国体を欠場した山県亮太選手(セイコーホールディングス)が9月に日本歴代2位タイの10秒00を出した。
 陸上に「もしかしたら」はないが、自分が9秒98を出した時と同じ追い風1・8メートルだったら日本記録を更新されていたかもしれない。来シーズンに向けて互いに練習し、また100メートルで勝負したい。

【飯塚翔太(静岡) かっこいい姿見せたい】
 ―愛媛で何をしたか。
 道後温泉に行ったり、たい飯を食べたり。道後の商店街も歩いた。昔ながらの歴史を身近に感じられ、坊っちゃん列車なども雰囲気がすごく好きで乗りたいなと思った。

 ―国体の思い出は。
 高校1年で初めて国体のリレーを走った。そのとき目標とする先輩と組んですごく刺激をもらい、伸びたきっかけにもなった。

 ―飯塚選手にとって国体とは。
 成長を見届けてくれる先生方や育ててくれた周りの人たちに喜んでもらいたい気持ちがすごく大きいので、国体で故郷を背負うと気持ちも全然違う。
 地元の子どもたちや未来のオリンピック選手にサービスすることが大事だと思っている。シーズン最後の試合になるので1年間のお礼も含めて臨みたい。

 ―愛媛の子どもたちにメッセージを。
 (上達には)誰かに言われるのでなく自分からやる気を出すことが一番。僕が走っている姿やかっこいいところを見せて、自分から練習に向かうきっかけになればうれしい。

【多田修平(大阪) バトン克服優勝目指す】
 ―愛媛の競技会場の印象は。
 風がすごく強い。走路は結構硬くて反発がもらいやすく、僕としては走りやすいと思った。

 ―関東の大学に進学する選手が多い中、地元の関学大で研さんを積んでいる。ふるさとへの思いは。
 環境が変わるとあたふたする期間が長くなってしまうので、なじみやすい近場を選んだ。地元の大阪の人たちは本当に応援してくれていてありがたい。だからこそ結果を残せているし、これからも応援に応えたい。

 ―陸上を志す愛媛の子どもたちに伝えたいことは。
 僕は陸上を楽しんでやっている。とりあえず第一は楽しむこと。楽しまないと練習もモチベーションが上がらないと思う。楽しんで、しっかり練習することが大切だ。

 ―リレーへの抱負を。
 愛媛に来る前に1度記録会でリレーに出場した。本番に近い状態でやっているので、本番も緊張せずいけるのかなと思う。まだ少しバトン技術などに改善点もあるため、克服して優勝を目指していきたい。