夏目漱石が学んだ漢学塾を前身とする東京都千代田区の二松学舎大で12日、漱石没後100年特別企画「楽しい漱石」があった。作家・クリエイターいとうせいこうさんと芥川賞作家奥泉光さんによるライブトーク「文芸漫談」などを通し、時代を超えて愛される作品の魅力や読みどころに迫った。
 肩の力を抜いて漱石文学に接し、奥深さや考える面白さに気付くきっかけにしてもらおうと同大文学部が主催。第1部は女優青柳いづみさんによる朗読で、「夢十夜」を情感を込めながら静かに読み上げ、幻想的な世界にいざなった。
 漫談では漱石の長編小説「行人(こうじん)」を取り上げた。2人は「兄嫁と2人で旅する場面はまるでメロドラマ。通俗を恐れない漱石恐るべし」「薄化粧というから紅とおしろいかと思えば、クリーム。顔がてかてかになってしまう」などとあちこちに突っ込みを入れまくり、何度も笑いを誘った。