4月の熊本地震で、被災地に初めて派遣された愛媛県災害派遣精神医療チーム(DPAT)の活動報告会が9日、松山市であった。医師や保健師が被災地の精神医療の現状や派遣に関する課題などを説明した。
 県心と体の健康センターの戒能徳樹医監は嘉島町で避難所の巡回や、自宅に戻った精神科通院患者の訪問などを実施。心身に強いストレスを受けた住民に加え「地元の保健師も発災から4日ほどは自宅に帰れず疲弊しており、心のケアによって連携が良くなった」と活動を振り返った。
 県宇和島保健所の佐尾貴子・精神保健係長は美里町で避難所の巡回などに当たったが「DPATはまだ認知度が低い。地域の保健師や関係機関に役割を知ってもらう機会づくりが必要」と指摘していた。
 県は今回の派遣を踏まえDPATの活動要領を見直す方針という。