日本政策投資銀行松山事務所が4日発表した2016年度の民間企業の愛媛県内設備投資計画は、15年度実績より44.6%多い1114億円となり、2年ぶりに増加する見通しとなった。紙・パルプや化学の製造能力増強や、不動産の大型商業施設完成が寄与した。
 16年度計画の製造業は41.0%増の850億円。紙・パルプで、家庭紙製造の能力増強や再生可能エネルギー事業への投資など生産拠点を強化する動きがあった。繊維や一般機械でも研究開発機能の強化に合わせた生産体制の整備がみられた。一方、非鉄金属や輸送用機械は大型投資が一服した影響で減少した。
 非製造業は57.5%増の264億円。鉄道の安全対策工事の影響で運輸が伸びたほか、通信・情報で地上デジタル放送開始から10年となるテレビ局の更新投資があった。
 本社所在地別でみると、県外に本社を置く企業が65.0%増と大幅な伸び。県内企業は25.1%増だった。
 15年度の設備投資実績は5.4%減の770億円で、4年ぶりの前年割れ。製造業は化学の大型プロジェクト完了などが影響し、27.6%減の603億円。非製造業は30.6%増の168億円で、電力の大幅増が押し上げた。
 調査は6月下旬、全国の資本金1億円以上の企業を対象に実施。愛媛県内で設備投資を行うとした154社(県内企業62社、県外企業92社)の投資額を集計した。