県立中央病院(愛媛県松山市春日町)は17日、外科手術に比べ体への少ない負担で、人工弁を心臓に取り付ける経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)を用い、中予の男性(88)の重症の大動脈弁狭窄(きょうさく)症の治療に成功したと発表した。
 愛媛では県立中央病院だけがTAVIをできる認定を受けており、実施は初めて。男性は4日に治療を受け、翌日から歩行し8日後には退院したという。
 病院によると、大動脈弁狭窄症は高齢化や動脈硬化により大動脈弁が石灰化するなどし心臓からの血液が全身まで十分、送り出されなくなる症状。胸痛や息切れ、突然死の危険性もあるとされる。国内の患者は約60万人と推定され、高齢化に伴い増加している。