愛媛県は4日、国の経済対策に基づく補正予算に即応するため11月補正予算案を発表した。一般、特別、企業の3会計で計188億7232万円。8日に臨時県議会を招集して提出し審議を求めるとした。
 中村時広知事は県庁で会見し「新興国の景気の下振れが懸念される中、先行きが不透明な県内経済情勢などを踏まえ、地域経済の活性化に万全を期すためにも迅速に(予算を)執行したい」と強調した。
 一般会計は183億9852万円で防災・減災対策や農林水産業の振興、地域活性化の推進が柱。
 防災・減災対策は140億899万円を計上した。四国電力伊方原発での重大事故を想定し、周辺の要支援者が一時避難所として活用できる施設に空気浄化フィルターで放射性物質の侵入を防止する機能を付加し、予防避難エリアなどで避難経路の通行円滑化調査を実施する。ほかに大洲・八幡浜自動車道や岩城橋の整備促進、土砂災害警戒区域の指定に関する基礎調査などに取り組むとした。
 農林水産業の振興は42億6409万円。中山間地域の農業者の所得向上支援や農業基盤の整備、魚礁の造成などを推進する。
 地域活性化の推進に向けては1億2544万円。県外の学生が県内でかんきつ収穫などを体験する「えひめ版農業ワーキングホリデー」実施や、養殖魚のスマ「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」の種苗生産施設整備などを盛り込んだ。
 特別会計は国営南予土地改良事業の長寿命化対策などに3800万円、企業会計は工業用水道事業の施設耐震化などに4億3580万円を充てた。
 2016年度累計は一般会計6802億1543万円、特別会計1333億9682万円、企業会計621億8836万円。
 県議会は議会運営委員会で臨時会の会期を8日の1日間と決めた。理事者の提出予定議案は予算3件。