石油コンビナートの防災訓練が29日、松山、今治両市であり、震度6弱の地震でタンクなどから油が漏れて火災や海上流出が発生したとの想定で、事業所や関係機関が被害を抑える手順を確認した。
 愛媛県松山市西垣生町の帝人松山事業所では、消防や警察など13機関約210人が参加。住民の避難訓練も初めてあり、近くの帝人今出社宅の約45人が市の広報車の呼び掛けで公園に集合した。自衛防災組織の化学消防車など17台が出動し、重油タンクに放水した。海上ではオイルフェンスを張ったり、松山海上保安部の巡視艇が放水したりして、重油の拡散を防いだ。
 タンク95基に重軽油など約120万キロリットルを貯蔵する太陽石油四国事業所(今治市菊間町種)の訓練には、事業所や今治海上保安部や市西消防署菊間分署など8機関の約280人が参加。陸上で土のう積みや負傷者の救命措置を行い、海上ではオイルフェンス設置や巡視艇による油膜の拡散作業を迅速に進めた。