秋の目印、わらぐろ登場 西予・宇和
愛媛県内有数の米どころの西予市宇和地域で、稲わらを乾燥・貯蔵するために積み上げた風物詩「わらぐろ」が登場した。今年は大勢の住民らによる手作りで、稲刈りが進む宇和盆地に本格的な秋の訪れを感じさせている。
宇和わらぐろの会の上甲清会長(78)=同市宇和町西山田=らによると、わらぐろは昭和30年代前半まで至る所で作られたが、牛の餌などの需要が減り、農業の機械化が進む中で消えていった。例年、同会が農村景観を守ろうと制作しており、今年は西山田地区の住民らでつくる「西山田わらぐろ保存会」(二宮乗重会長)が立ち上がった。
秋晴れの4日は、約40人が4基を手掛け、田んぼに打ち込んだ柱の周囲をわらの束で囲んでいった。宇和わらぐろの会は、10月中旬以降にさらに15基ほど作る予定。