高い強度と軽さを併せ持つ素材として航空機や自動車などさまざまな分野で注目されている炭素繊維を使って新製品を開発したとして、愛媛県東温市の産業機械メーカー「ウインテック」の駄場元定生社長らが29日、県庁を訪れ、製品の開発経緯や特長をアピールした。
 開発したのは、紙おむつ生産ラインで使用する「ロール」と言われる部分の新製品。従来は炭素繊維を炉で熱して作るため、製作に1本8時間程度かかっていたが、同社では樹脂に炭素繊維を混ぜて金型に流し込む方法を考案し、製作時間を15秒まで短縮することに成功した。
 重量も従来品の半分程度と軽量化にもつなげ、紙おむつの生産スピード向上にも対応できるという。
 今回の製品は、県が愛媛大やえひめ産業振興財団などと連携して進める「炭素繊維関連産業創出事業」の一環で誕生した。