団塊の世代が全て75歳以上となる2025年には、高齢者の5人に1人がなると推計される認知症。発症しないための予防策として、ゲームで脳の活性化を図る講座が愛媛県内で開かれている。ポイントは「和やかに、楽しんで、大笑い」。現場をのぞいてみた。
 16年12月上旬、西条市丹原町池田の丹原公民館に市内外から40~80代の24人が集まった。講師はNPO認知症予防ケアサロン笑日(わらび、西条市)代表の丹下隆清さん(65)。参加者全員が輪になって座り、両手の指を折りながら「1、2…」と数えてウオーミングアップ。シーツの上のボールを転がして穴に入れるゲームでは2班に分かれて競争し、笑い声が上がった。
 講座は、NPO法人「認知症予防ネット」(京都府)が普及を進めている脳活性化ゲームを取り入れ、丹下さんが13年から同公民館などで主催する。参加した今治市朝倉上、主婦辻久美子さん(65)は「認知症にならないよう3年前から通っている。みんなで挑戦するので楽しい」と話した。