独創的な生け花で知られる草月流4代目家元の勅使河原茜さん(56)の公開制作が7日、愛媛県松山市一番町3丁目の松山三越であり、200人を超えるファンらを前に松山の秋をイメージした大作を作り上げた。10日まで展示する。
 草月流は1927年に東京で創始。個性を重んじ、型にとらわれない常に新しい創造性にあふれた作品の発表を続けている。
 公開制作は2017年の創流90周年を記念した草月流県支部の展覧会「語る ひらく いけばな」(7~10日、萬翠荘)の開幕イベントと、松山三越の開店70周年を兼ねて企画した。
 1階のアトリウムコートに立った勅使河原さんは、複雑に組まれた竹の土台に合わせ、ドウダンツツジやケイトウなどの花木を選択。「同じものはない花の表情を見て生けることが大切」「立体感も考えて」と解説しながら、スタッフと一緒に飾り付けした。
 フィナーレには、草月流の表現技法の一つである8メートルの竹を用いた「竹火山」を採用。火山が噴火するかのように8分割された竹の先端が広がると、完成品の美しさに会場からは大きな拍手が送られた。
 勅使河原さんは「お祝いの気持ちを込めて生けさせてもらった。花木の力強さやしなやかさといった要素を色の変化とともに楽しんでもらいたい」と語った。