新聞紙を使って日本の景色を表現している愛媛県八幡浜市出身の田中蓄(あつむ)さん(66)=神戸市在住=の作品展が20日、松山市一番町3丁目の萬翠荘で始まり、来場者は絵画のように細かい色合いの作品に見入っていた。25日まで。入場無料。
 田中さんは商業科の元高校教員。放浪の画家山下清(1922~71年)の展覧会で的確な風景の捉え方や色使いに感銘を受け、約35年前から新聞紙で制作を始めた。題材は愛媛を中心とした日本の景色で、はさみやドライバーで切り出したり、手でちぎったりした最小2~3ミリの新聞紙を貼り合わせている。
 愛媛での展覧会は初めてで、計約40点を展示。「峠路」は八幡浜・大洲市境の夜昼峠が題材で、木々が生い茂る峠の赤や黄色の紅葉が目を引く作品に仕上がっている。