油と女子高生―。西条高校(愛媛県西条市明屋敷)の2年生12人がユニークなネーミングの「油系女子」を立ち上げ、天ぷら油の回収に取り組んでいる。地域に目を向け、自分たちができることを探し、たどり着いた活動。「捨てられる油が少しでもなくなれば」と奮闘している。
 12人は3月、同校が実施している英国スタディーツアーに参加し、再生エネルギーなどについて学んだ。帰国後、「何か社会貢献できないか」と考え、市市民活動支援センター(栄町)を訪れ、スタッフの戸田聖子さん(32)から使用済み油の回収などをする松山市の企業の取り組みを教わった。
 4月に「油系女子」を発足。市内で開かれた野外フェスで油を回収したほか、活動資金を得るため商店街の土曜夜市やイベントなどでコーヒーを販売し、9月の体育祭では精製した油で発動機を動かし放送設備の電気を賄った。
 グループ名は、メンバーの藤中香帆さん(17)が考えた。メンバーには男子も2人おり「男子を忘れないで」などの声もあったが「広報するときはインパクトが重要。短く、ど直球」と押し通した。
 これまでに300リットル以上を集め、油を凝固剤で固めたキャンドル作りなども検討。ミーティングも定期的に開き、イベントで販売する物品の提供や企業に協力を呼び掛けるチラシの案などを協議する。見守る戸田さんは「この年代で何かをするのはいい経験で、みんな楽しんでいる。自分で考えて行動する力を養える場になってほしい」と話す。
 男子生徒ながらリーダーを務める安藤開さん(16)は「後輩に引き継ぐだけではなく、日本中に油系女子の支部ができればうれしい」と力を込めた。