豊作祈り、害虫海に 今治・伯方で伝統「虫送り」
農作物の害虫を海に送り出す愛媛県今治市伯方町北浦地区の伝統行事「虫送り」が25日あり、住民ら約50人が参加し豊作を願った。
毎年、田植えが終わる6月下旬に行っている。住民らは地元の善福寺(山本秀則住職)で、山本兼照副住職(47)の読経や太鼓、かねに合わせ、長さ約10メートルの数珠を車座になって回し、五穀豊穣を祈願した。
その後、アシで作った「豊年丸」と呼ばれる小舟(長さ約1.5メートル)に害虫や野菜などを載せ、地区内を巡回。太鼓の音に合わせ「トイボナー、トイボナー」という独特の掛け声を唱えながら練り、北浦港に到着すると、豊年丸を海に流した。
総代の男性(76)は「豊作に加え、自然災害による被害もないよう祈りたい」と話していた。