光通信や医療用のレーザー、光学レンズなどに利用される透明セラミックスより、硬く透光性の高い透明ナノセラミックス「透明ナノ多結晶ガーネット」の合成に世界で初めて成功したとして、愛媛大地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)の入舩徹男センター長らの研究グループが7日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版で論文を発表した。超高圧を利用した合成で「従来にない超透明セラミックスの開発や新たな光学部品への応用も期待できる」としている。
 センターは、10万気圧以上を発生させる超高圧装置を有し、地球深部や物質合成の研究を進め、世界一硬い新物質の人工ダイヤモンド「ヒメダイヤ」の合成にも成功している。
 グループは、棒状に加工した直径5ミリのガラス試料を使用。超高圧装置を用い、大気圧下で焼き固める従来の焼結法と比べ、はるかに高い10万気圧以上と、1400度程度の温度を加えることで、約30ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリ)の超微細結晶からなる多結晶ガーネットの合成に成功した。