勉強の成果を少しでも地域に役立てよう―。愛媛県立松山工業高校で繊維の知識やデザインなどを学ぶ繊維科1~3年生の10人がこのほど、調理中の着衣への引火を防ぐエプロンや、日常生活でも使える防災ずきんを考案し、23日に松山市で開かれる防災イベントに出展する。生徒らは、防災セミナーなどへも参加して南海トラフ地震などへの備えとしても活用してもらおうと意気込んでいる。
 授業で学んだ知識を地域で役立てようと、3年生は防災がテーマの課題研究、1~2年生は繊維デザイン部の活動として、縫製やデザインなどメンバーの得意分野を生かして取り組んでいる。
 1、2年生はガスコンロや仏壇の火が衣服に引火する事故が起きていると知り、予防できないかと検討。料理中に注意が必要と考え、市販の防炎カーテン生地でエプロンとアームカバーを作った。
 実験では、綿やアクリルでは炎が上がるのに対し、市販の防炎カーテン生地は炎が出ずに火が消えることを確認。燃え方の違いが分かる動画や恐ろしさを伝える漫画も制作しており、高齢者らに注意を呼び掛ける予定。
 3年生は、防災ずきんづくりに挑戦。手提げ袋の一端にファスナーを取り付け、災害時に開けばかぶることができる。キルティングの間に厚さ1センチのキルト芯を入れて衝撃を緩和。助けを呼ぶ際に使う笛や防寒シートなどの収納ポケットを付けるなど改良中だ。
 3年の女子生徒(18)は「最近は各地で地震が多い。関東や東海、中部地方では保護者が防災ずきんを作っていることが多いようだが、四国ではあまり普及していない。家庭で作ってもらい、親子で防災意識を高めてほしい」と話していた。