隠れた名産品とはよく言ったもので、愛媛県松前町の北西部・岡田地区で栽培されるもち米「岡田もち」は地元でも知る人は決して多くないけれど、農業や農産加工の関係者には品質が高く評価される「ブランド」だ。
JA松山市や生産者によると、明治時代には既に岡田もちとの名称が使われていたと伝わる。もち米の品種は時代とともに変わり、現在は全国でも一般的なクレナイモチだが、岡田産は粘りが良く、見た目もきめ細かく人気が高いのだとか。特に餅にして食べると良さがよく分かるという。生産者の一人、豊田年秋さん(77)は「粘土質な岡田の土がもち米におうとるんじゃろうねえ」と「高品質」の理由を推測する。