松山大経営学部4年の南萌子さん(21)が、ドイツの国立大が共同運営する「ドイツ学術交流会(DAAD)」の語学研修奨学金を受け、8月から約2カ月同国ミュンヘンに留学する。松山大などによると、欧州有数の権威ある機関の給付型奨学金で、利用は松山大で2人目。南さんは専攻の国際マーケティングも学ぶ予定で「留学経験を生かし、日独の懸け橋になる仕事に就ければ」と将来を見据える。
 DAADはドイツの大学と国外の研究機関との連携を図る機関。東京事務所(東京)によると、日本では2年生と大学院生らが応募でき、成績や研究テーマ、動機が審査される。ドイツ語での申請書の記入や合格後の手続きが義務付けられるなど語学力が必要で、日本の定員は非公表だが、倍率は3倍前後という。
 親族がドイツに住んでいたことなどから、第2外国語にドイツ語を選択したのを機に「(同国に)どっぷりはまった」という南さん。ドイツ留学は3回目で、2年時のベルリン留学では、専攻の勉強に役立てようと、時間を見つけては百貨店やスーパーを訪れた。
 ドイツではペットボトルの飲料水一つとっても、店ごとに価格も商品も違い、客層もばらばら。ベルリンは移民も多く「想像以上に貧富の差が激しい」(南さん)実情を見た。3年時には、東京の南部・バイエルン州の駐日代表部でのインターンも経験した。
 南さんはドイツ系企業を中心に就職活動を進めている。「形態にこだわらずいろいろなところでドイツに関われれば。現地で働けるチャンスがあればつかみたい」と意気込んでいる。