昨年9月の大雨で鬼怒川(茨城県)が決壊した関東・東北豪雨の際、現地で活動した消防職員による講習会が1日、愛媛県西予市役所であった。南予の消防職員や同市職員、消防団員ら約100人が災害時の対応力を上げようと熱心に耳を傾けた。
 市消防本部が開催。茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部の消防司令佐怒賀薫さん(45)が講演した。
 佐怒賀さんは昨年9月9日午後11時、鬼怒川に氾濫危険情報が出されたにもかかわらず「(消防側も)決壊することはまずない」と警戒意識が希薄だったと告白。10日未明には常総市に避難準備情報、避難指示が相次いで発令されたが、深夜で豪雨だっただけに住民も注意喚起が聞こえなかったり、周知不足で避難指示の意味が伝わらなかったりして避難が遅れたという。
 そのため日ごろから要援護者が避難を始める避難準備情報や、避難勧告より急を要する避難指示の理解を広めておく必要性を強調。「危惧していたのは地震だけで風水害には全く備えていなかったのが実情。いつの日か来るべき有事に備えを」と呼び掛けた。