今夏、愛媛県西条市の病院で集団感染が確認された結核。国や県によると、2015年に結核患者として新たに登録された人は全国で1万8280人(前年比1335人減)、うち愛媛は167人(21人減)。厚生労働省は9月24~30日を「結核予防週間」として啓発に取り組んでいる。
 県によると、新たに登録される患者数は、この5年間は全国、愛媛とも緩やかな減少傾向にある。終戦直後は日本人の死因の1位を占め「国民病」と恐れられた結核。現在は医療や生活水準の向上によって治癒率は高まっている。
 しかし14年には全国で2100人、うち愛媛で23人が結核のため死亡。県健康増進課は「まだ存在しており過去の病気ではない」と注意喚起する。県や松山市は結核の治療が必要な人に「服薬応援手帳」を配布しているほか、県内の保健所では結核に関する相談を受け付けている。
 県は「結核には誤解や偏見が根強いが、正しい知識を持って正しく恐れて」と呼び掛けている。