愛媛県は22日、軽くて強い植物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を利活用した産業推進方針を公表した。かんきつの搾りかすを使った低コストのCNF製造技術や、タオルなど繊維製品への応用といった愛媛ならではの研究開発を産学官連携で進め、「CNF産業県」としての地位確立を目指す。
 CNFは植物に含まれる主成分セルロースを、ナノ(10億分の1)メートルの単位まで細かくした素材。県は2010年度から研究を進めてきたが、企業や大学との連携を強めてCNF産業の創出を促進しようと、方針を策定した。
 推進方針では愛媛独自の地域資源や産業の活用を基本スタンスとして明記。軽くて強いほか、特定の気体を通さないといった特徴を生かして新たな材料開発を探る「複合材料」▽食感の改善などを図る「食品産業」▽糸の強度を高めたタオルなどを開発する「繊維産業」▽紙製品の高機能化を図る「紙産業」の4部会を産学官で5月中にも設立し、調査研究や試作開発を行う。