「かわいいペット、修理します」!? ソニーが1999年に販売を始め、約15万台を売り上げた犬型ロボット「アイボ」。メーカーが受け付けを終えたアイボの修理を請け負う「ア・ファン」(千葉県)がこのほど、全国で3店舗目となる支店を愛媛県松山市平井町に出した。現在「約500台待ち」の人気ぶりで、同市出身の乗松伸幸社長(61)は「驚きと感動を提供していきたい」と意気込んでいる。
 アイボは2006年まで4シリーズを販売。ウィーンウィーンと機械音を出しながら尻尾を振る愛らしい姿に、生き物と変わらぬ愛着を抱く人が続出、一時は社会現象にもなった。
 「介護施設に連れて行きたい」。ソニーの元エンジニアらが11年に立ち上げ、古い電子機器の修理を手掛けるア・ファンがアイボの修理を始めたのは、兵庫県の70代の女性からの問い合わせがきっかけだった。
 徐々に全国からの依頼が増えた。これまでに約600台を修理し、現在は約500台が「入院待ち」。修理で使う部品の一部は、故障などで手放した全国のオーナーから寄せられるものから有効活用する。
 「アイボは多くのオーナーにとってペットであり家族。お客さんの要望を理解し、修理することが一番重要」と力を込める乗松社長は、依頼者と連絡を取りながら修理を進める「オーダーメードリペア」にこだわる。