「佐田岬灯台」登録文化財に 大正期のRC造 国審議会が答申
国の文化審議会(馬渕明子会長)は10日、愛媛県伊方町正野の「佐田岬灯台」を登録有形文化財(建造物)にするよう松野博一文部科学相に答申した。官報公示を経て登録される見通しで、県内の登録有形文化財(同)は115件となる。
「佐田岬灯台」は鉄筋コンクリート(RC)造で、1918(大正7)年に初点灯した。高さ18メートルの灯塔は八角形平面、灯室は円形平面で、方形の付属舎(41年増築)が付く。日本一細長い佐田岬半島の先端に位置し、現在も稼働している。
県教育委員会発行の報告書「愛媛県の近代化遺産」(2013年)によると、RC造の灯台は1923年の関東大震災以降に建築が急増した。震災前に建てられた佐田岬灯台は「現役の初期RC造灯台として全国的にも貴重」とされている。今回の審議会でも、初期のRC造灯台の形式をよく残し、国土の歴史的景観に寄与していると評価された。