小田中央商店街(愛媛県内子町小田)の古民家にサンタやトナカイが陣取り、山あいのクリスマス気分を盛り上げている。その正体は、田んぼを見守ってくれたかかしたち。ほのぼのとツリーの電飾に囲まれ、訪れた地域住民を温かい気持ちにしている。
 人通りの少ない商店街を盛り上げようと、電器店の松尾頼子さん(66)が、所有する別棟の空き家の1階スペースを活用した。かかしは松尾さんの水田で働いている男女計3体。農作業衣を脱ぎ、100円ショップのクリスマス衣装を恥ずかしげに着込んでいる。
 松尾さんは近所の仲間と11月から、着色した松ぼっくりやツリーを持ち寄り、こつこつと飾り付け。クリスマスが近づくにつれ華やぐ古民家は住民の楽しみとなり、商店街にぽっと明かりがともったような存在になった。