第1号ピアノ修復始まる あかがねミュージアム
工都で最初に響いたピアノの音色をもう一度-。大正時代、海外から持ち込まれ、愛媛県新居浜市内第1号のピアノとされる「いくおばあちゃんのピアノ」の修復が4月末から、同市坂井町2丁目のあかがねミュージアムで始まった。
市教育委員会によると、ピアノは第5代市長の荒井源太郎さん(1895~1975年)の妻いくさん(1899~1993年)が米カリフォルニアに留学していた1921年に250ドル(当時)で中古購入した。
いくさんは86年に古里の東京へ引っ越す際、「(将来の)新美術館で活用してほしい」と市郷土美術館にピアノを寄贈したが、ほとんど日の目を見ず、倉庫に約30年間眠っていた。美術館を備え昨年完成したあかがねミュージアムが、いくさんの遺志を継ごうと開館1周年記念として修復プロジェクトを立ち上げた。
ピアノは高さ1.5メートル、幅1.6メートル、奥行き0.7メートルのアップライト型。象牙製の88鍵盤を備え、鍵盤ぶたに「VICTORIA NEW YORK(ビクトリア ニューヨーク)」と鋳造印がある。