「オール愛南」でサツキマス順調 地域経済に活力
愛媛県愛南町の産官学が連携してサツキマス(アマゴ)の試験養殖に取り組んでいる。昨年12月には稚魚3千匹を御荘湾のいけすに放流し、順調な成育ぶりを確認している。種苗生産から出荷まで一貫して町内の事業者らで行う「オール愛南」体制を目指し、早ければ3月にも一部出荷を始める。
試験養殖はブリなど主力養殖魚の販売が伸び悩む中、新たな町の魚を育てようと愛南漁協が発案。漁協の青年漁業者連絡協議会と愛媛大南予水産研究センターの三浦智恵美講師(55)のチーム、町の3者が共同で2014年度に始めた。
サツキマスの養殖期(12~3月ごろ)はハマチなどの出荷を終えた時期と重なり、空いたいけすを活用できる利点がある。他の養殖魚種に比べ、少ない量のえさと短期間で成育できるのも魅力だ。
本年度からは同町緑地区でアマゴの陸上養殖を行う障害者就労支援のNPO法人「ハートinハートなんぐん市場」の稚魚を活用。0.8~1キロに育て東京の市場に活魚で出荷する予定。将来的には希少性を生かした高級魚路線での販売展開を見据える。