別子銅山の産業遺産が残る愛媛県新居浜市の東平(とうなる)地区で俳句を詠むイベント「俳句ing Walking」が2日、市民ら約140人が参加して開かれた。俳人の夏井いつきさんとともに、遺産群が眠る森を散策しながら、初秋の題材探しを楽しんだ。
 開会式で夏井さんは「秋の東平はススキやコブシの実、ノギクなど季語だらけ。自分だけの発見を切り取って描写してほしい」とアドバイスした。
 参加者は6班に分かれて約1時間半、索道基地跡や旧変電所などの見どころを巡った。各所では新居浜南高校ユネスコ部の生徒らがガイド役を務めた。
 同日は山肌に朝もやがかかる絶好の「天空のまち日和」。同市泉宮町の会社経営永田光春さん(71)は「東平には何度も足を運んでいるが、いつも違う人、違う風景と出会える場所」と話し「銅山の歴史の重さをかみしめる句にしたい」と思索を巡らせていた。
 市観光協会主催。参加者の投句の中から入賞句を決める夏井さんの句会ライブもあった。