死亡や転居などで削除された戸籍付票や住民票の除票のうち、法定保存期間の5年を経過した除票を愛媛県松山市が来年以降に廃棄することに対し、県司法書士会は9日までに「戸籍付票の除票は不動産登記手続きに有為な証明書類」と、見直しを求める意見書を野志克仁市長宛てに提出した。
 池田誠治会長は取材に「東日本大震災では所有者が不明となった土地の問題が復興の妨げとなっており、将来の南海トラフ地震でも懸念がある。依頼者の負担が増え、市民サービスを担う行政としていかがなものか」と説明している。
 意見書は6日付で、申請人と登記簿上の所有者が同一と証明するため戸籍付票の除票が活用されることが多いと指摘。廃棄されると不動産所有者の死亡後に登記変更が長年されていないケースで問題が生じるとし「住民基本台帳法に基づかない一般行政証明として交付できるよう方策を立案すべきだ」と要望している。