有識者や各種団体代表らで構成する愛媛県松山市の水資源対策検討委員会(13人)の第4回会合が4日、市役所であり、市は日量4万トンの新規水源が必要とする長期的水需給計画の改訂版基本計画案を示した。市議会での議論やパブリックコメント(意見公募)を経て、年内にも再度検討委を開く。
 新規水源について市は現在、県営黒瀬ダム(西条市)からの分水を推進。計画案では分水と海水淡水化の二つをこれまでの検討過程を踏まえた候補として挙げ「引き続き技術的課題等を検討し、国・県などの指導や助言を仰ぎ、総合的に判断する」と記述するにとどめた。
 計画案では8月に委員会で示された必要水量4万トンについて、記録的渇水に対応する都市リスク軽減や減圧給水緩和による給水サービス改善などに取り組むとした。節水に向け、一定規模以上の事業所への雨水貯留施設設置義務付けや支援を継続。家庭への助成制度では、風呂の残り湯を洗濯に使う機器は普及が進んだとして、節水型トイレ改造補助に切り替える。
 検討委では、2004年策定の現行計画で不足水量日量4万8000トンとしていたのに対し、今回は必要水量に変わったことに「説明が足りない」との指摘や、節水策の具体性や目標が明らかでないとする疑問が出た一方、「行政として市民生活や経済活動を守る責任を意識した数字として納得できる」との意見があった。同時に示された市民への説明などに使う概要版について「一般消費者が理解するのは難しい」などと見直しの要望があり、市は対応する意向を示した。