「明神丸」復活の練り 船形太鼓台10年かけ修復 四国中央・浜地区
愛媛県四国中央市の三島神社秋祭りで、太鼓台を先導する船形太鼓台「御座船(ござふね)・明神丸」の約10年におよぶ修復がこのほど終わり、総仕上げとなる入魂式が9日、同市三島宮川1丁目の三島神社であった。かき手約40人が奉納歌「御座船御歌(みうた)」を唱和し、神社周辺を練り歩いた。
明神丸は1970年ごろ壊れ、祭りへの出場は途絶えていた。2002年に運行していた浜地区の住民らが建造準備委員会を発足させるなどして復活に着手。元の部材を生かして造り替え、05年の秋祭りから参加を果たした。
その後、約10年かけて彫金、彫刻、飾り幕などを修繕・新調。村上水軍に由来するという奉納歌の伝承にも取り組んできた。
明神丸は全長約8.3メートル、高さ約3.5メートル、幅約2.5メートル。神社本殿で入魂式の神事を終えると、かき手の「ヨーイエイエイ」などの歌声とともに、波間を航行する船のように左右に揺らして運行した。
自治会などでつくる御座船・明神丸保存会の合田律夫会長(78)は「大勢の皆さんの支えがあって修復がかなった。今後は若い世代への伝承に努めたい」と感慨深げ。
21日からの祭りで明神丸の船頭役を務める浜地区の青年団長、武村健志さん(42)は「今から気持ちが高ぶっている。誇りを持って役割を果たしたい」と話していた。