亡くなった人たちの死を無駄にしないでください―。1万5千人以上が亡くなった東日本大震災から5年となった11日、県内各地で追悼行事が開かれた。県内で避難生活を送る被災者は犠牲者の冥福を祈るとともに、愛媛県民へメッセージを送った。それぞれの追悼の場で、出席者は被災地に思いをはせ、防災への決意を新たにした。
 松山市湊町7丁目の済美高校では、宮城県気仙沼市の被災地を視察した2年生4人が、文化・芸術発表会で現地での体験を発表。生徒や教職員ら約1400人に、日頃から防災意識を持つことの重要性などを伝えた。
 4人は気仙沼市の高校や仮設住宅などで出会った懸命に生きる同世代の姿や、復興が進まない現状を写真や動画で紹介。「『忘れないで』という言葉の真意は、命を守る教訓にしてほしいということ」「被害を最小限に減らす減災の考え方を知ってほしい」と強調した。済美高校では2015年3月に行われた気仙沼市の東陵高校との交流の後、現地で学びたいという声が生徒から上がっていた。