青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞を受賞し、愛媛に帰郷している米カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授(60)が4日、松山市道後町2丁目のひめぎんホールで講演し、中予の17高校・4大学の生徒、学生ら約3千人が、郷土が生んだ先駆者の話に聞き入った。
 中村教授は青色LEDの仕組みや開発までの苦労話を紹介。米国留学時代に博士号を持っておらず冷遇されたとし「科学者を目指す人は、海外で研究するなら絶対に取ってほしい」と力を込めた。
 国際社会で競ってきた経験から「世界一の製品を作れても、英語が話せないと世界の標準にできない。世界を相手に売ることが最大の問題」と指摘し、若いうちに語学力を身に付ける重要性を強調。「大学受験のためではなく、好きなことに向かって勉強してほしい」と呼び掛けた。