ありまさん(宇和島出身)大賞 Be絵本大賞
壁の前に集まる変な「ひと」たち―。宇和島市出身の絵本作家ありま三なこさん(29)=本名有間三奈子・兵庫県在住=の作品「ウォールズ」がこのほど、作詞家の秋元康さんらが選考する「Be絵本大賞」に選ばれた。秋元さんは「100人の読み手がいたら100通りの読み方ができる」と高く評価。ありまさんは「初めて認められた気がした」と、思いがけない大賞をはじける笑顔で喜んだ。
大賞は絵本作家のデビューを後押ししようとフジテレビKIDSなどが主催。秋元さんのほか、脳科学者の茂木健一郎さん、書道家の武田双雲さんが選考委員を務め、大賞受賞作は扶桑社から出版される。8回目の今回は747作品の応募があった。
さまざまな思いを持ったひとが壁の前に現れ思い出を語り合うというシンプルなストーリー。「あるとき、壁の向こうから音がした。何の音だろうとわくわくして耳を当てた」。壁があったからこそ生まれた想像力。「心の壁」「人種の壁」など良くない比喩で使われがちだが、固定観念にとらわれない発想が「ウォールズ」を作り上げた。