さらば青春の講堂 今秋解体へ・三島高
三島高校(愛媛県四国中央市三島中央5丁目)の創立期から92年、歴史とともに歩んだ講堂が、今年秋から解体されることになった。卒業生らが19日、学校と生徒の成長を見守ってきた歴史ある建物を訪れ、別れを告げた。
「こんなに狭かったかいな」と驚きの声を上げ建物に入ったのは、同窓会総会に合わせ募った見学希望者42人。終戦の1945年、当時の旧制三島中学校に入った鈴木幹三郎さん(83)は「グラウンドは今より狭く、野球のボールが講堂に当たってガラスがよく割れていた」と懐かしそう。
講堂は木造2階建て約850平方メートルで、前身の旧制中学が開校した翌年の24年5月に完成した。当時は1階が和風の武道場、2階は洋風の講堂で、しっくい装飾の柱や縦長い窓も特徴。現在は1階を卓球場、2階を剣道場として主に部活動で使っている。
建物は老朽化が進んでおり、表面がはがれたりひびが入ったりしている部分も。卒業生らからは保存を望む声もあったが、県立高の耐震化を進める県教育委員会は2012年度、維持補修の費用対効果や生徒の安全面なども考慮し、解体して新たな武道場を建設することを決めた。
卒業生らは思い出が詰まった壁や柱をなでながら、在校当時の記憶をたどっていた。
講堂は今年11月以降に解体し、跡地に新たな武道場を17年度中に建てる予定。