高い技術力があっても、知名度不足で人材確保に悩む事業所。いつも目にするがどんな会社か分からないという住民―。双方の声を受け、愛媛県東温市は地元の製造業や飲食店などの事業所の魅力や見どころを紹介する冊子「東温の匠(たくみ)・極(きわみ)」を作製した。県内外の商工団体のほか、学生の進路選択にも役立ててもらおうと県内の高校などにも配布している。
 同市は、民間事業者の約9割が中小零細企業だが、中には国内シェア1位を誇るほか、ニッチ(隙間)な分野で知られた企業も多い。ただ認知度の低さゆえの人材確保の難しさが共通の悩みで、市は支援策として、2014年度に冊子の作製を事業化していた。
 冊子では、市商工会の推薦事業所や市観光物産協会員を中心に46事業所を五つのエリアに分けて写真入りで掲載。従業員数や事業内容、売上高など基本データのほか、各事業所の将来ビジョンや製品へのこだわりも添えられ、紹介しきれない企業も一覧で加えた。