「延喜の観音さん」として親しまれる愛媛県今治市延喜の乗禅寺の越智瑞啓住職(52)が6月下旬、同市中心商店街に観音堂とカフェを開設する。近年の今治航路廃止や商店主の高齢化などで厳しい局面に立つ商店街の活性化や生活困窮者支援が目的。越智住職は「港から延びる商店街は今治の顔。老若男女に集ってもらい、にぎわいを取り戻すことができれば」と意気込んでいる。
 いずれも、越智住職が所有する5階建ての空きビル(常盤町3丁目)を改装して整備を進めている。
 お堂は1階で6月24日から24時間開放。昨年末から今年3月初旬にかけて手彫りした観音像(高さ約77センチ)を安置し、ソファで休憩できるスペースも設ける。若者にも大勢来てもらおうと「合格祈願」「良縁成就」などの手作りお守りを無料配布する。
 カフェは2階で「慈照堂」と命名し、6月25日にオープン。市内の洋菓子店のアドバイスを受けるなどして開発したシロップ(イチゴ、抹茶、ティラミス)が売りのかき氷や団子、お茶などを販売する。