築30年が経過した愛媛県松山市道後町2丁目のひめぎんホール本館が、老朽化による大規模改修に伴い、2019年4月~20年3月の1年間休館する予定であることが14日、関係者への取材で分かった。コンサートや入学式などで使用される四国最大級のメインホール(約3000席)を擁する会場が利用できなくなる事態に、県内の利用団体からは戸惑いの声が上がった。
 ひめぎんホールは、世界的建築家で今治市名誉市民の故丹下健三氏が設計し、1986年4月、県民文化会館としてオープン。財政難の県が2008年に自主財源確保のため命名権(ネーミングライツ)を販売し、愛媛銀行が年3500万円(税別)で5年契約を結んだ。
 県によると、14年度の利用者は約64万人で、イベントは546件。初年度を除き利用者は40万~60万人台で推移してきた。出席者3000人規模の入学式などで利用する愛媛大の総務部は「老朽化で、いつかは改修しなければならないので仕方がない」と理解しつつ「ほかに利用できる会場は県武道館しか浮かばず、これから対策を考えないといけない」と苦慮している様子だった。