石油コンビナートでの大規模災害に備える訓練が11日、愛媛県新居浜市惣開町の住友化学愛媛工場であり、同社や自治体など関係12機関の約230人が参加し、通報連絡体制や現場対応を確認した。
 熊本地震を念頭に、訓練は中央構造線断層帯を震源とする直下型地震が新居浜市で2回起きたと想定した。重油の海上流出や防液堤内での火災、アンモニアタンクの内圧上昇などに対処する手順をこなした。
 緊急地震速報のアラームが鳴ると、参加者は工場内に現地指揮本部を設置。工場の自衛消防隊が負傷者の救助や初期消火に当たり、関係機関との連携を確かめた。近くの若宮小学校(同市新田町1丁目)では全児童が避難訓練に臨んだ。
 県石油コンビナート等防災本部が毎年、県内3市で持ち回り実施しており、新居浜では13回目。県の高橋正浩防災安全統括部長は「訓練の成果と課題を検証し、今後の防災に反映したい」と講評した。