精密機械部品などを手掛ける「テラマチ」(愛媛県西条市、寺町昌則社長)が19日、松山地裁西条支部に民事再生法の適用を申請した。主要取引先からの受注減などで見通しが立たなかったとみられる。東京商工リサーチ今治支店と帝国データバンク松山支店によると、負債総額は約30億円。
 テラマチは小惑星「りゅうぐう」を目指し飛行中の探査機「はやぶさ2」の部品加工にも携わっていた。
 同社ホームページなどによると、1933年に大阪市で創業。44年に法人化し、西条市丹原地区にも工場を新設、77年に現在地に本社を移した。建設機械や工作機械などのメーカーに納める部品を製造し、建機の駆動部に用いられる減速機などを主要商品としていた。
 東京商工リサーチ今治支店と帝国データバンク松山支店によると、従業員は60人前後。2010年3月期の売上高は約19億200万円に対し、主要取引先の大手建機メーカーが中国など海外での業績を拡大する中、受注が急増。ピーク時の12年3月期には約44億8500万円を計上した。ところが主要取引先の業績不振で受注が減少。受注増を見越しての設備投資も重荷となり業績が悪化した。
 26日に債権者説明会を丹原文化会館で開く予定。