ビーチバレー王者・庄司選手 故郷離れ、競技に専念 えひめ国体2017
「愛媛は競技に専念する環境を僕にくれた。結果で恩返しをしたい」。ビーチバレー男子の庄司憲右選手(27)は大会前、愛媛国体への並々ならぬ思いを語っていた。
鳥取県出身で大学まではインドアのバレーボール選手で卒業後は地元の特別支援学校の常勤講師になった。競技の第一線から退いていたが、軽い腕試しのつもりで挑戦したU―23(23歳以下)のビーチバレー世界大会の日本代表選考会に受かり、競技半年で日本代表に選ばれた。競技に専念しようと教員の道を断った。
国内各地で大会に出場するためには、遠征費が必要で、トレーニングジムやカフェなど、さまざまなアルバイトをしながら競技生活を送っていた。2014年、長谷川徳海選手(33)と組み全国大会で初優勝した時、愛媛県ビーチバレーボール連盟関係者から要請を受けた。「集中してトレーニングができる」と迷わず、15年から愛媛に拠点を移した。
専用の練習施設があるほか、強化練習会では福井(旧姓佐伯)美香、伊藤(旧姓徳野)涼子両監督といったオリンピアンからの指導を受けた。めきめきと力をつけた庄司選手。本番では「さあ行くよ、愛媛」と声を出し自らを奮い立たせた。
決勝トーナメントがあった16日、大勢の高校生ボランティアや地元小学生らが応援に駆けつけた。気迫を前面に押し出してプレーする庄司選手と長谷川選手に、愛媛コールが湧き起こった。
宣言通りの結果を残し、「苦しい場面もあったが諦めずにプレーすれば目標を達成できる姿を見せることができた」と庄司選手。県バレーボール協会の中村進会長は「盛り上がりをみせ子どもたちにいい影響を与えてくれた」とたたえ、二人はがっちり握手を交わした。