鬼のまちの鬼灯(ほおずき)いかが―。全国で唯一、自治体名に「鬼」がつく愛媛県鬼北町の住民グループが、食用ホオズキの栽培に取り組んでいる。同町永野市の道の駅「森の三角ぼうし」で16日に開く「鬼灯まつり」で初めて販売。町の活性化に一役買おうと準備に精を出している。
 同町中野川の建築士、田中明美さん(61)が、漢字で「鬼灯」と書くホオズキに町名との縁を感じ、2013年に栽培を始めた。主な産地は東北地方で南国での栽培に不安もあったが、無事に実をつけた。
 田中さんによると、老化を防ぐイノシトールやビタミンA、鉄分などを含み栄養価が高く、高級食材として扱われるという。
 地元のPRにつながると、所属するまちおこしグループ「鬼北町発掘隊」のメンバーらに栽培を呼び掛けた。4年目となり、協力者は約10軒に増え収穫量も安定してきたことから初の販売に挑む。収穫後数日乾燥し、萼(がく)を取り除くと直径5センチ程度のオレンジ色の実が姿を現す。プチトマトのような食感だが酸味とともにまろやかな甘さが口に広がる。
 まつりは午後3~9時。食用ホオズキ(約100グラム、500円)を200セット限定販売するほか、ホオズキをシロップにしたかき氷も並ぶ。大小約90個のホオズキを模したちょうちんが会場をライトアップする。