国民に番号を割り当てるマイナンバー制度の来年開始を前に、コンピューターシステム開発の「パルソフトウェアサービス」(愛媛県松山市)が中小企業向けソフト「スプリットディスク」を開発した。機密情報などが入ったファイルを分割して一つでは意味のないデータにし、低コストで保存・管理できるのが特徴。7月1日に発売する。
 同社によると、機密情報をパソコンなどで管理する際、暗号化技術を利用した方法だと将来、暗号が破られ情報漏えいする恐れがあるという。
 ソフトは分割したデータをサーバーやネットワーク上など複数箇所に保存する秘密分散技術を利用。一部のデータを入手しても、全体がそろわなければ有意な情報として読み取れない仕組み。分割したデータは機密情報ではなくなるため、管理区域設置や技術的対策などのコストが削減でき、専門知識がなくても操作できる。
 同社新規事業開発部の玉井成知事業部長は「マイナンバーが漏れれば、企業は損害賠償やイメージ悪化で打撃を受けるが、コスト面などで中小企業は対応が難しい。一般向けの同様ソフトはまだ市場に少なく全国に広めたい」としている。