ライン詐欺防ぐ 西条の店員に感謝状 訓練奏功
的確な判断で電子マネーをだまし取る手口の詐欺被害を防いだとして、西条署は9日、「ローソン西条産業道路店」の男性従業員(33)=愛媛県西条市=に感謝状を贈った。犯人側は、スマートフォンなどの無料通信アプリLINE(ライン)で「被害者」の親族に成り済まし、購入を持ち掛けた。8月以降、同様手口による被害が県内でも急増し、県警が注意を呼び掛けていた。
署などによると、10月13日に市内の50代の女性のラインに弟のアカウントから「電子マネーを買うのを手伝ってほしい」旨のメッセージが届いた。男性従業員は、来店した女性が電子マネーの内容などを分からずに6万円分を購入しようとしていることに気付き、「電子マネーの詐欺が多いが大丈夫か」などと何度も尋ね、被害を防いだ。
署と店は10月12日、電子マネーをだまされて購入する高齢者を想定した声掛け訓練をしたばかりだった。小西勲署長から感謝状を受け取った男性従業員は「全く同じ流れで、抜き打ちの訓練かと思った。今後も積極的に声を掛け、被害を防ぎたい」と話した。
県警によると、今年に入りラインの成り済ましに関し、昨年の5倍以上の61件(10月時点)の相談が寄せられている。署生活安全課の下津明彦課長は「親しい間柄でも不審に感じたら確認と相談をしてほしい」と注意を促した。