ボールのリフティング技術などを競うフリースタイルフットボール世界大会の元王者で、愛媛県大洲市白滝出身の徳田耕太郎さん(22)が18日、中学高校時代に練習の場にした白滝地区の直売所「しらたきの里」に、オリジナルの自販機を設置した。自販機の明かりを頼りに、夜遅くまでボールを蹴った思い出にちなんだ企画で、徳田さんは「頑張ればできる、という気持ちを感じてほしい」と話している。
 徳田さんにとって自販機は、練習の相棒であり運命を左右した存在。中学3年の夜にリフティング中、自販機の上に引っかかったボールを取ろうとして転落。頭を打ち病院に搬送された。脳挫傷と診断されサッカーを断念したが、その後はフリースタイル一本に絞り練習。現在の活躍につなげた。
 設置した自販機は、契約する飲料品会社「レッドブル・ジャパン」(東京)と作った世界でただ一つの台。前面には、2012年イタリア大会で優勝した徳田さんの胴上げ写真が描かれ、側面には「自販機のわずかな明かりで練習していた少年が、世界のトッププレーヤーに囲まれ、最も光を浴びる存在になった」などと書かれている。