愛媛県内の市町長らを対象にした県防災・危機管理トップセミナーが18日、松山市であった。山口県萩市の野村興児市長が、昨年7月の集中豪雨災害の対応について講演。通信が絶たれて情報収集に苦心した経験から「複数の通信機能を備え、訓練を繰り返すことが重要だ」と訴えた。
 萩市の豪雨災害では局地的に3時間雨量が300ミリを超え、河川の氾濫や土砂崩れが短時間で発生。野村市長は「電気や通信が途絶えた上、防災行政無線も雨の音でかき消され、住民は避難勧告を聞いていなかった」と、情報収集や伝達の難しさを振り返った。
 また、高齢者福祉施設をはじめ、保育所や小学校が浸水。休日のため子どもの被害はなかったが、保育所の高台移転を計画していると説明した。