ふわふわ膨らんだスカート、フリルやレースを数多くあしらったブラウスやワンピース―。日本独自の発展を遂げた服飾文化「ロリータファッション」が、「カワイイ」文化の波に乗って海外に広がっている。愛媛県松山市大街道1丁目の松山店など国内外に27店舗を構える業界の老舗ブランド「ベイビー,ザ スターズ シャイン ブライト」(東京)を夫と経営する礒部フミ予専務(54)=八幡浜市出身=によると、中国人観光客の「爆買い」対象になるなど近年、特に中国で注目を集めている。
 若者文化の発信地、東京・原宿の一角にある同社本店。多いときには来店客の半数を外国人が占めるという。以前は欧米系が多かったが、4年ほど前から中国人が目立ち始めた。訪日観光客や日本在住の留学生らが、平均10万~20万円分ものワンピースやアクセサリー類などを買っていくという。
 08年のリーマンショックの影響で同社の業績は一時悪化したが、近年は中国関係が全体の販売をけん引する形で、売り上げが年々伸びている。1日で数百万円分購入した中国の富裕層も。「15年に中国の新疆ウイグル自治区を旅行で訪れていた大学生の娘から、うちの服を来た中国人の写真が送られてきて、ここまで広がっているのかと驚いた」という。