愛媛県内子町の昔の特産品、木蝋の作り方を学ぶ体験学習が27日、内子町内子の木資料館「上芳我邸」(国指定重要文化財)であった。近くの内子中学校の3年生37人が、大掛かりな「立木式蝋搾り機」を使って見事、生蝋を作りだした。
 ろうそくや化粧品の原料にもなった木蝋は内子産が特に品質が良く人気で、明治期の木蝋産業の隆盛は、現在の内子町に残る古い町並みを生む原動力となった。しかし大正期にパラフィン蝋や電灯が普及すると需要が減り内子での木蝋生産は途絶えた。
 上芳我邸には、実際に木蝋を作る小屋が再建されており、上芳我邸に隣接する内子中の生徒は毎年、総合的な学習の時間の一環として木蝋作りを体験する。
 生徒らはハゼの実を細かくして蒸した粉を立木式蝋搾り機にセット。何人もの力で両側から木を差し込み圧力を掛けると、粉がつぶされて生蝋が鍋にポタポタと落ちた。
 搾り機を動かした生徒(14)は仕組みに感心し「昔の人は大変な作業をしていて尊敬します」と先人に思いをはせていた。