久万スキーランドを運営する「久万総合開発」(愛媛県久万高原町、田村信介代表清算人)は経営難から新会社に事業譲渡し、松山地裁から特別清算の開始決定を受けたことが7日、分かった。帝国データバンク松山支店などによると、負債総額は約8億6000万円。
 久万スキーランドは新会社「久万高原開発」が営業を続行、従業員9人全員も雇用継続している。2012年に閉鎖した国内最大級の屋内ゲレンデ施設「アクロス重信」(東温市)については、既に産業廃棄物処理などのオオノ開発(松山市)に売却済み。
 帝国データバンク松山支店、東京商工リサーチ松山支店によると、久万総合開発は地元有志が共同出資し1985年に設立し、スキー場をオープンした。その後コースや施設を順次拡充。スキー場のオフシーズンに対処するため、99年11月には約23億円を投じアクロス重信を建設するなど積極的に投資を重ねてきた。
 2002年9月期には年間売上高約8億2000万円を計上したが、利用者の低迷で05年9月期には約6億4000万円まで減少。12年にはアクロス重信を閉鎖するなど経費削減を進めたが、設備投資に伴う借入金が負担となり、経営改善には至らなかった。