江戸時代に10代、約230年にわたって今治藩主を務めた久松松平氏ゆかりの文化財を一堂に集めた特別展が22日、愛媛県今治市通町3丁目の今治城で始まった。初日は久松松平家の次期当主(15代目)、久松定順さん(47)=東京都=ら子孫が来場し、先祖の品々を感慨深そうに見学した。12月18日まで。
 特別展は、今治文化振興会主催。久松家などから寄贈された刀剣や歴代徳川将軍からの領知朱印状、藩主の書画など計46点を展示している。初代藩主の松平定房所用と伝わる甲冑(かっちゅう)も並び、歴代の「お殿様」の足跡を伝えている。
 広告代理店に勤める定順さんは7、8年前から毎年、今治城や同市古国分2丁目にある定房と3代定陳、4代定基の3人が眠る墓を訪れるなどしている。定順さんは「祖先がどのように200年以上も藩を維持してきたかなどを考えるとすごく興味深く、今回の特別展でその一端を感じられた」と思いをはせていた。
 観覧には天守閣で販売している共通観覧券が必要で一般500円、大学生など250円、高校生以下無料。