愛媛県今治市町谷の飲食店「塩むすびのハッピー」が10月から、経済的に困難な児童生徒らに格安で日替わり朝食を提供する「子ども食堂」を始めた。学校や家庭の悩みも気軽に相談できる子どもたちの憩いの場を目指している。
 同店は村上裕子代表(46)が年金暮らしのお年寄りらを支援しようと昨年8月ごろ開店。50~100円でおにぎりや総菜を販売し、小銭をかき集めて訪れる住民もいるという。
 食堂は、地域の子どもから「一日の食事は給食だけ。腹が減ったらお菓子を食べる」「両親が食べないから朝食はない」などと聞き一念発起、1日に始めた。本来の営業は平日午前7時半~午後1時だが、登校前の午前6時半には店を開け、おにぎりやパンと副食をプレートに盛って200円で販売している。
 校区外の子どもも利用でき、特殊な事情がある場合は無料とする方針。村上代表は父子家庭で育ったこともあり「子どもたちにはまずは食べてもらわないと。一人親家庭などを背景とした他人に言いにくい悩みを朝の1時間で聞き、行政と連携できれば問題解決にもつながるはず」と力を込めた。